「咸卦(かんか)」とも呼ばれ、上部は澤(泽)、下部には山が配置されています。
この卦の意味は「影響」または「感化」を示し、人々の心が互いに感じ合い、影響し合う様子を象徴しています。
具体的には、人間関係の密接さや相互作用、特に恋愛や友情における絆の深さを示唆するものとされています。
この卦を指南として、人々は関係の中での感受性や共感の重要性を理解し、他者との深い結びつきを築く手助けとして利用することができます。
31 沢山咸
澤山咸の物語
澤山咸は、心と心が通じ合い、互いに感応し合うことの重要性を象徴します。この卦は、言葉だけでなく、心からの理解と共感が人々を結びつける力であることを教えています。
物語はこう語られます。
ある時、山あいの小さな村に、心優しい青年が住んでいました。彼は言葉が少なく、感情を表に出すことが得意ではありませんでしたが、村人たちへの思いやりに溢れていました。
ある年、村は深刻な干ばつに見舞われ、作物が育たず、村人たちは困窮していました。村人たちは次第に不安と恐れで心を閉ざし、お互いに対する信頼も失い始めました。誰もが自分のことで精一杯になり、助け合う気持ちが薄れていきました。
そんな中、青年は何とか村を助けたいと願い、毎晩村の中心に集まり、ただ静かに火を灯し続けました。彼は何も言いませんでしたが、その灯りを見た村人たちは、少しずつ彼のもとに集まり始めました。
彼の沈黙の中に込められた思いに、村人たちは次第に気づきました。彼らは言葉ではなく、心で彼の優しさと共感を感じ取ったのです。そして、村人たちは再び心を開き、お互いに助け合うことを決意しました。
その後、村は干ばつの危機を乗り越えるために協力し、次第に状況は好転していきました。村人たちは青年の行動に感謝し、彼の心からの思いが、村全体を救ったことを深く感じました。
青年はこう言いました。「言葉よりも大切なものは、心と心が通じ合うことです。互いに感応し合うことで、真の理解と調和が生まれます。」
この物語は、澤山咸の卦が持つ意味を象徴しています。澤山咸は、心と心が通じ合い、感応し合うことで、深い理解や調和が生まれることを教えています。言葉だけでなく、心からの共感や思いやりが、人々を結びつけ、困難を乗り越える力になると説いています。

