

山の中腹に立ち、背後には大きな山脈と澄んだ空が広がっています。その姿勢は落ち着いており、動かずに自然と一体化しているかのよう。これは「力を外に出す時ではなく、内に養う時」を象徴しています。
「山天大畜」は“力を蓄え、準備を整えることで未来を動かす”という意味を持ち、静かな佇まいがまさにその「内なる力の貯蔵」を象徴しています。
本卦:山天大畜(さんてんたいちく)
「大畜」は“大いに蓄える・内に力を養う”という意味を持つ卦。
天の上に山があり、上に重く、下に強く、力が内に満ちている姿を表す。
今日は「行動よりも準備」に適した日。焦って動くよりも、知識や人脈、信頼を蓄えることで、次の飛躍に備える時期。内面の充実が外の成功を導く。忍耐と節度を保つことが吉。
之卦:沢天夬(たくてんかい)
「夬」は“決断・断ち切り”の意。
大畜で蓄えた力を、どのように使うかを問う卦。迷いを断ち、思い切った判断を下すことで運が開く。ただし、軽率な行動は禁物。準備を整えたうえでの決断こそが成功を呼ぶ。
互卦:雷沢帰妹(らいたくきまい)
「帰妹」は“未熟な結びつき・準備不足の行動”を示す。
大畜の忍耐を促す裏で、軽率な行動への警告が込められている。状況が整っていないうちに進めば、関係や計画が不安定になる。焦らず、成熟を待つ姿勢が大切。
裏卦:沢地萃(たくちすい)
「萃」は“集まる・調和・求心力”を表す。
内に蓄えた力は、いずれ人を引き寄せる時を迎えるという吉兆。今日の努力や忍耐は、やがて多くの人や機会を呼び寄せる。焦らず、誠実に準備を重ねることが運を育てる。
綜卦:天雷无妄(てんらいむもう)
「无妄」は“自然体・誠実・無心”の卦。
大畜で蓄えた力は、無理に使おうとせず、自然な流れの中で活かすべきことを示す。作為よりも真心が、結果的に最良の方向へ導く。
総合的な解釈
本卦「山天大畜」は、内なる充実と準備の卦。
今日は外へ出るよりも、内を固めることが運を高める日。努力を表に出すより、静かに力を蓄え、時を待つ姿勢が吉と出る。
之卦「沢天夬」が示すように、決断の時は近いが、今はまだその直前。判断を急がず、確信を持てる状態まで整えることが大切。
互卦「帰妹」は未熟な行動を戒める警告であり、焦りが失敗につながる可能性を示している。
一方、裏卦「沢地萃」は、誠実な姿勢が人を惹きつける兆しを示し、今日の忍耐が未来の縁や協力を生むことを伝えている。
綜卦「无妄」は、自然体であることの重要性を補強する。
つまり今日は「内を満たし、時を待つ日」。心を整え、知恵を蓄え、状況を静かに見極めることで、やがて大きな成果へとつながる。焦らず、誠実に、静かな強さを養う一日にしたい。



















