

川辺あるいは湖畔のような場所に立ち、水面には風が走り、波紋が広がっています。
風の力で水が散らされていく様子は、まさに「渙=散る・ほぐれる」の象徴。
髪や衣が風に軽く舞い、その表情は凝り固まったものから解き放たれたように穏やかで柔らかい。
“悩みやしがらみが風とともに流れていく”そんな瞬間を描いています。
背景の薄い靄(もや)や漂う光は、問題が霧のように溶けて薄れていくイメージを視覚化したもの。
「風水渙」が持つ“束縛からの解放” “自然にほどけていく流れ”を、美しく幻想的に表現しています。
本卦:風水渙(ふうすい かん)
渙は「散じて流れを変える・固着をほぐす」ことを意味する卦。
行き詰まりや停滞を抱えていた場合、今日はそれがほぐれやすく、風が水面を揺らして澱みを流すような動きが出る。執着を手放すほど新しい気が入りやすい日。
気分転換や整理整頓、人間関係の見直しも吉となる。
之卦:水風井(すいふう せい)
井は「基盤を整える・内側から満たす」象徴。
渙は散じる象意を持つが、井は「散じた後に必要なものを補う」働きを示す。
無駄な執着を離すことで、本当に必要なものを汲み上げられる。
改善や補給、足りない部分を整える行動が実りやすい日となる。
互卦:山雷頤(さんらい い)
頤は「養う・育てる・栄養補給」の卦。
内面の充実、体調管理、気力の回復を促す。
渙・井と合わせると、溜まった負荷を手放し、その後に自分を養う行動をとることで大きな力を取り戻せる暗示。
心身のメンテナンスに適した日でもある。
裏卦:雷火豊(らいか ほう)
豊は「充実・華やぎ・豊かさ」。
裏卦として現れることで、渙によって余計なものが削ぎ落ちると、逆に本質が輝きやすくなることを示す。ただし、豊は勢いが強いため、散じた後の空気に再び過剰な勢いを乗せないよう注意が必要。
落ち着いた豊かさを目指すべき時。
綜卦:水沢節(すいたく せつ)
節は「節度・限界を知る・整える」。
渙で散じたものを節が適度に収める働きを示す。
手放す・流す動きと、締める・整える動きがバランスする。
過不足を調整することで運気が安定する暗示。
総合的な解釈
今日は「手放し→補う→整える」という流れが明確に示されている。
まず本卦・渙が、停滞したものの解消や、不要なこだわりの離脱を促している。今まで気になっていたこと、重荷となっていた人間関係、頭を占めていた心配事などをいったん外側へ流すべき時。無理に形にしようとせず、自然に散じる流れに任せるのが良い。
之卦の井は、そうして空いたスペースに「本当に必要なものを補う」タイミングが来ることを示す。整備・下準備・学び・基礎固めなど、外に出るより内側を整える行動が効果的。渙は散らすだけだが、井は補う。今日はこの二つの両輪によって運が大きく循環する。
互卦の頤は、特に「自分を養う」必要性を強く伝えている。心身の回復や栄養補給はもちろん、精神的な休息・良い習慣づくりにも最適。何を取り入れるか、どう自分を整えていくかが運気を左右する。
裏卦の豊は、不要なものが散り、本質が磨かれることで豊かさが現れることを示すが、同時にその勢いが過剰になる可能性も含む。今日は急激に広げすぎたり、やりすぎたりしないことが重要。
最後に、綜卦の節が全体を締めくくり、散じた後の整理・節度ある行動が運を安定させる。渙が風で散らし、井が満たし、頤が養い、豊が輝きを与え、節が整える……まるで一連の循環のように、今日の卦は“リセットして整う日”であることを示している。
総じて今日は、不要なものを手放し、自分を整え、節度を持って次のステップへ向かうことで、大きく運が開ける一日となる。








