

「水地比」は、“水が広く広がる大地の上にある”という象から人が寄り添い、支え合い、調和が生まれる状態を表します。
静かな水辺に立ち、水面は穏やかに広がり、その姿や空の光を柔らかく映し出しています。
水は心のつながり、やさしさ、調和を象徴。
大地は安定、安心、受容の象徴。
この二つが重なることで、「比」の持つ安心感と信頼の関係が強調されます。
表情はとても穏やかで、近づいてくる者を優しく迎え入れるような包容力を感じさせます。
風に揺れる髪と衣が、“自然と心が寄り添う流れ” を象徴しています。
「水地比」の持つ調和・連帯・信頼関係のあたたかさを、柔らかく表現した構図です。
本卦:水地比(すいち ひ)
比は「親しみ・協力・和合」を象徴する卦。
人とのつながりが運を開く日であり、助け合いや相談、共同作業が吉を生む。
周囲との距離感が自然と縮まり、良い支持を得やすい。
ただし、比は“誰と親しむか”の見極めが重要な卦でもある。
正しい相手と結びつけば運が伸び、誤った相手には流されやすい。
今日は信頼できる人を選び、協力を得て進むことが鍵となる。
互卦:山地剥(さんち はく)
剥は「削がれる・弱まる・一部を手放す」象意を持つ。
比の親しみの裏に、何かが少しずつ剥がれ落ちていくような気配があることを示す。
これは悪い意味だけではなく、「不必要な縁や負担が自然に離れていく」という働き。
比が“正しい関係を選ぶ”ことを強調している中で、剥は“選ばなくてよいものが離れる”作用を補う。
人間関係や仕事の中で、必要なものと不要なものが静かに選別されるタイミングとなる。
裏卦:火天大有(かてん たいゆう)
大有は「大いに有る」、すなわち豊かさ・成功・高評価を象徴する卦。
比の協力によって隠れた価値が引き出され、実りが大きくなることを暗示する。
ただし裏卦として現れることで、「成功の兆しはあるが、まだ表に出しすぎず慎重に扱うべき時」であることも伝える。
強すぎる自己主張や“持っていることを見せる行動”は逆効果になりやすい。
綜卦:地水師(ちすい し)
師は「整列・組織化・準備・体勢を整える」象意を持つ。
比が生み出した協力関係を、師が組織としてまとめ上げる働きを示す。
「仲間と整う」「協力体制が固まる」「秩序が生まれる」など、物事が形になるプロセスに入る兆し。
比の柔らかさに対し、師は規律や方向性を与える役割を果たす。
総合的な解釈
今日の卦は「良い仲間・正しい協力関係が運を強く押し上げる日」。
本卦の比が示すように、周囲のサポートや共同作業が特に力を発揮する。しかし、全ての関係を受け入れてよいわけではない点が重要。互卦・剥が「不要な関係は自然に剥がれ落ちる」と告げており、必要な縁だけが残る方向へ流れが動いている。
裏卦・大有は、その選び取った縁が後に大きな成果や評価につながる可能性を教えている。ただし今は「成功をひけらかさず、静かに準備すること」が鍵となる。力を持っていても、必要以上に前に出ないほうが良い結果につながる。
綜卦・師は、今日の人間関係や協力の流れが“組織づくり・体勢の整備”へとつながることを示す。人とのつながりがただの交流で終わらず、何か目的に沿う形としてまとめられていく兆しがある。一緒に動く仲間、協力相手、同じ方向を見る人との関係が整っていく。
総じて今日は「人との関係が運を育てる日」。ただ広げるのではなく、選び、整え、必要な仲間と未来の基盤を築くような時間となる。









